◆ひつじの旅路～新たな旅へ

月星座を、牡牛座に持つ　ひつじは、「安らぎ」や「楽園」を　求めていました。

キーロンが魚座にある　ひつじは、「孤独感」を、心の傷に　持っていました。



いつの頃からか、ひつじの心にあるのは、「安心」ではなく、「寂しさ」でした。






ひつじは　それが苦しくて、悩ましくて、いつもそれを　どこかへやってしまいたいと、厄介者にしてきました。


「寂しさ」から　目を背け、あらゆる手段で、逃げ回ってきたのです。



そして、ひつじは　「安らぎ」や「心穏やかな感じ」「仲間と　ひとつに溶け合っている　至福の感覚」という、
理想　を、追い求めてきました。



求めても、求めても・・・


どんなに走っても、理想は　捕まりません。





追い求めれば、追い求めるほど、ひつじの心には、「安らぎ」や「みんなと　ひとつになっている感覚」が、「足りない」と、思うばかりでした。


それでも、この数年間は　けっこう　うまく、ごまかせました。



ひつじ自身も、それが「ごまかし」とは、気づかないほどに・・・



「寂しさ」から、逃げおおせたと、思っていたのです。





でも　それは、間違いでした。


「寂しさ」は、どんどん大きくなって、ひつじの後ろに　ぴったりと　くっついてきていました。



ひつじが　あまりに、厄介者扱いし、逃げ回るので、「寂しさ」は　とうとう怒り出しました。


「寂しいよう　辛いよう・・・なんで逃げ回るの？なんで　無視するの？

中へいれて　ひとつになってよう」



ひつじは、それでもまだ　あがいて、なんとか逃げようとしました。



でも、逃げられませんでした。



「寂しさ」は、ひつじそのもの　だったからです。


だれも、　自分自身からは逃げることは、できません。


ひつじは、「寂しさ」を追い出すのは、あきらめました。




「わたしは　寂しいひつじだ。それがどうした」
・・・そう、思いました。






ほとほと　疲れてしまったのです。

もう　逃げる力は、使い果たしてしまいました。




そして、「寂しさ」を　ひつじの中へ、迎え入れることにしたのです。


長い間　離れていた、寂しいひつじと　寂しさから逃げ回るひつじは、ひとつになりました。

同じ　ひつじだったのですから、離れることなど　できません。



「寂しさ」から　逃げまわっていたひつじは、弱っていましたが、「寂しさ」と　ひとつになったひつじは、力強く
大きな　力を、手にしました。




「寂しさ」は、大きな　エネルギーです。




そのパワーを　手にしたひつじは、新たな旅に　出ることにしたのです。